こんにちは、ハチです。
「賃貸併用住宅で、家賃ゼロ生活を実現!」
不動産投資やマイホーム購入を検討したことがある方なら、一度はこの甘いキャッチコピーを見たことがあるはずです。自宅の半分を賃貸に出し、その家賃でローンを返済する。理論上は「タダ」で家を持てる夢のスキームです。
私は5年前、都内(城東エリア)に賃貸併用住宅を建てました。では、実際に5年間住んでみて、本当に家賃はゼロになったのか。
結論から申し上げます。「計算上は、奇跡的に『完全にゼロ(トントン)』。しかし、そこには薄氷を踏むような緊張感がある」これが、ハウスメーカーのパンフレットには載っていない真実です。
今回は、私の特殊な事情(借地権)も含め、大家としての「リアルな収支」を包み隠さず公開します。
前提:私には「土地」がありませんでした
数字を出す前に、一つ重要な前提をお話ししなければなりません。
これが、他の成功談とは違う、私の最大の「弱点」であり、戦略の根幹でもあります。
私の自宅は、所有権の土地ではなく「借地(しゃくち)」の上に建っています。
- 土地は他人のもの(地主さんにお金を払って借りている)。
- 建物だけが私のもの。
つまり、私は住宅ローンとは別に、毎月「地代(土地のレンタル料)」を4万円も払い続けています。
「土地を持っていてラッキーですね」と言われることがありますが、実際は毎月重たい固定費が出ていく、シビアな条件からのスタートでした。
【公開】築5年のある月のリアル収支
では、実際の数字(月次キャッシュフロー)をご覧ください。私はネット銀行メインで紙の通帳がないため、毎月管理しているExcelシートの数字をそのまま公開します。
| 項目 | 金額 | 備考 |
| ① 家賃収入 | + 230,000円 | 賃貸部分の総額(満室時) |
| ② 住宅ローン返済 | ▲ 150,000円 | 建物全体のローン |
| ③ 地代(借地料) | ▲ 40,000円 | 土地のレンタル料 |
| ④ 固定資産税積立 | ▲ 20,000円 | 建物(年額÷12) |
| ⑤ 管理費・諸経費 | ▲ 10,000円 | 共用部電気代・清掃など |
| ⑥ 修繕積立金 | ▲ 10,000円 | 将来への自主積立 |
| ★ 最終収支 | ± 0円 | 実質の住居費ゼロ! |
いかがでしょうか。電卓を叩いたかのように、ぴったり「プラマイゼロ」です。家賃収入(23万円)が、重たいローン(15万円)や地代(4万円)、さらに税金や積立金まですべてを飲み込み、私の財布からの持ち出しを「ゼロ」にしてくれています。
「トントン」ということは…
この収支は、あくまで「満室」であることが前提です。もし空室が出れば、一瞬にして赤字に転落するリスクと隣り合わせなのです。
「家賃で儲ける」のではなく、「家賃で防衛する」。このギリギリのバランスの上に、私の生活は成り立っています。
それでも私が「賃貸併用」を選んだ理由
リスクを背負ってまで、なぜ私がこの選択をしたのか。それは、「普通に家を建てた場合」と比較した時の、資金効率の圧倒的な差にあります。
ここで冷静にシミュレーションしてみましょう。
もし私が、欲を出さずにこの借地の上に、自分たち家族が住むだけの「普通の戸建て(建物の大きさ半分)」を建てていたとしたら?
建築費は半分で済むので、住宅ローンも半分になります。しかし、土地の広さは変わらないため、地代はそのままかかります。
▼ 普通の家(半分の大きさ)を建てた場合の試算
- 住宅ローン返済:約7.5万円(今の半額)
- 地代(借地料):約4万円(変わらず)
- 固定資産税・修繕積立 :約1.5万円(今の半額)
- 合計住居費:約13万円
いかがでしょうか。「普通の家」を選んでいれば、ローンは軽いですが、毎月確実に13万円が財布から出ていきます。
一方、今の私は、倍の借金を背負うリスクを取ったことで、この13万円の支払いを「他人(入居者様)」に肩代わりしていただいている状態です。
本当の成果は「積み上げた金額」にある
毎月の収支は「±0円」ですが、この5年間で一体どれだけの差がついたのか。
- 普通の家を建てた場合:手出し ▲ 130,000円 /月
- 今の賃貸併用住宅:手出し ± 0円 /月
その差、月額 13万円。 年間で約156万円。5年間で約780万円もの差になります。
「普通のマイホーム」を選んでいたら、この780万円は住居費として消えていました。 しかし私は、この浮いた資金をすべて株式投資に回しました。
元本780万円に、この数年の株高(複利効果)が乗ることで、資産は加速度的に膨れ上がりました。 今の資産8,000万円という数字は、「住居費という最大の固定費を、リスクを取って消滅させたこと」に対するリターンなのです。
結論:家は「消費」ではなく「装置」である
これから家を建てる方へ。特に都内で検討する場合、土地代(あるいは地代)の高さはネックになります。
しかし、「住むためだけに買う(消費)」のではなく、「他人に住んでもらってコストを相殺する(装置)」という視点を持つだけで、資産形成のスピードは劇的に変わります。
借地権だろうと、ローンが重かろうと、「毎月のキャッシュフローで勝てば、資産は増える」。これが金融マン大家としての私の結論です。
さて、ここで一つの疑問が浮かぶはずです。「浮いたお金を投資に回したと言っても、それだけで8,000万円にはならなくない?」
おっしゃる通りです。実は、私の資産形成にはもう一つ、金融のプロならではの「ブースト(加速装置)」が存在します。
次回の記事では、「普通のサラリーマンが、どうやって資産8,000万円を作ったのか?」家賃収入を最大効率で運用した、私の金融投資ポートフォリオの内訳をすべて公開します。
